今までの経緯

山口さんへインタビューする形でまとめました。

1、短大側から今回の通告を受けたのはいつ?

授業外しは、2016年2月5日の学科会議においてです。

次年度分掌を学長が説明する中で、出席者全員に告知する形で

「28年度、山口先生に授業はありません」と、言われました。

 

研究室明け渡しについては、次年度より学科主任教授となる方からのメールで「学長指示」として通告されました。

ただし学長側は、「単なる研究室移動であって退去ではない」と言っています。

でも、移動先は旧事務室で、しかも使用できるスペースが限られています。

研究に必要な資料などを置いておくスペースはありません。

 

学長から「私物を撤去してもらう」と言われているので、机やロッカー以外、スクリーンリーダー(文章を元読み上げるソフト)の入ったパソコンも私物となってしまいます。つまり、私の研究活動そのものをできなくする処置だと感じています。

2、短大側の理由は?

① 授業中に飲食したり、無断で出て行ったりする学生を注意できなかった

② 筆記試験を採点する際に学生の答案を第三者に読み上げてもらった 等です。

 

実は、2年前に、ほぼ同様の理由で退職勧奨を既に受けています。

特に2年前の時は学生課題を第三者に読んでもらっていたことが「個人情報漏洩」と叱責されました。

「視力がない教員は職業能力がない」と言われ、続けるのは難しいかとも思いました。

 

しかし、2年前は「補佐員を私費で雇用する」ことで退職を免れ、授業を続けてきました。

補佐員は週2日で授業の中では出席簿への記入などを手伝っていただいています。

ただし、短大との制約の中に「補佐員は学生と直接関わってはならない」とあるため、飲食や居眠りなどをみつけたとしても学生に注意を促すことはできません。

そのような中で学生から飲食している者への指導をしないとクレームが出ている…と言われ、2月5日の告知を受けました。

3、裁判で訴えていることは?

2件の仮処分申請 と 本案提訴 をしています。

 

まず、3月2日に研究室退去を無効にするための仮処分申請をしました。

3月14日が引き渡し期限となっていたためです。

15日以降に研究室に入れない・勝手に部屋の荷物を移動される等の危惧がありました。

そのため、研究室退去について先に申請しました。

 

そして、3月23日に授業外しを撤回するよう求めた仮処分申請と、研究室退去・授業外しを不服とする地位確認の提訴を行いました。

 

全て岡山地裁倉敷支部に提出していますが、岡山地裁本庁での取り扱いとなるそうです。

4、通告から提訴まで

2年前、「話し合いで穏便に何とか解決したい」と願いました。

母校の悪い評判は学生や卒業生が心を痛めるだろうと思ったからです。

今回、2月5日に告知された時も、「まだ何とか穏便に…」との思いが強くありました。

そこで、代理人弁護士から話し合いをしていただくことで何とかならないかと考えました。

 

2月9日に代理人就任挨拶と面談申し入れを弁護士の先生がしてくださいました。

しかし、なかなか面談の期日について回答はありませんでした。


2月22日に大学側代理人弁護士からの挨拶があり、ようやく3月1日に話し合いの場がもたれました。

短大側は、学長と主任教授以外に学科教員6名を同席。

私のできないこと(飲食・居眠りが注意できない等々)をA4用紙にまとめさせて読み上げさせたそうです。

そして、研究室の明け渡しについても、授業外しについても通告に変更はないとのことだったそうです。

 

致し方なく期限の迫っていた研究室退去について先に仮処分申請をしました。

ここでの審尋は非公開ですから、学生や卒業生に知れることなく解決する希望を持っておりました。

 

しかし、3月15日審尋でも変更・撤回はないとの姿勢は堅いものでした。

新年度に入ってから授業外しのことを不服申し立てしても遅すぎます。

そのため、せめて年度内にできることを…と考え、3月23日の提訴となりました。

5、大学での授業は?

現在(H28.4月)、時間割に私の名前はありません。授業はできない状況です。

待遇として「准教授の役職変更はない」とのことですが、会議席は学科教員から外れた末席にされており、教員としての処遇がどうなているのか疑問には感じています。

ただ私のほうで確認する術もなく、今後どうなるのかは私自身がわからない…というのが本音です。

6、研究室の明け渡しは?

保留となっています。

第1回審尋が上述のように3月15日でした。そのため代理人弁護士の方から「仮処分が結審するまでは研究室については現状維持」とするようにとの求めを仮処分申請後に大学側代理人弁護士にしてくださり、結果として大学側は保留を了承しています。

7、どのような場所に働きかけを?

文部科学省を含め様々なところへの働きかけを模索しています。


文科省に今回の問題について仮処分申請などをする前に何か救済してもらえるところがないかと問い合わせをしたことがあります。

でも文科省の答えは「学校と教員の問題は労使の問題だから厚労省に…」とのことでした。

 

厚労省には、4月から障害者差別解消法が施行されることもあり、障害者雇用対策課を頼って要請させていただく経緯となりました。でも労使問題、障害者の雇用問題だけではないと思っています。

 

「共生社会を目指す教育」 を子ども達にするよう求めている教育現場。

 

人権を無視したことをしていて真の教育ができるのでしょうか?

より良い教育現場であるように指導する責任は文科省にはないのでしょうか?

そのことに気づいていただきたい…

文科省としても考えていただきたい…

 

そんな強い希望もあり、署名の提出先の筆頭は文部科学大臣にさせていただいております。